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ミラノでの出産・子育てについて ~総括~

懸賞 2018年 02月 06日 懸賞

2017年9月15日、無事第一子の出産を終え、子育て真っ最中ではありますが、ここイタリアでの出産前後のいろいろな出来事を、まとめています。
妊娠真っ最中よりは、産後だからこその客観的視点で、総括していけたらと思います。


ミラノで妊娠が発覚し、一度もイタリアを離れることなく出産をした者としての総括です。
日本で出産子育てはしていないので、日本と比べてどうか、については言及していないことを、前置きさせてください。

日本でも、出産をするにあたり受けられる医療サービスというのは、場所によって異なります。東京などは、病院などの選択肢も多いでしょうが、その後の保育園の待機児童問題など、解決していない問題も多く、どこが良くてどこが悪いとは一概に言えないのかもしれません。
私は、日本での出産経験がなく、イタリアでの出産しか知りませんが、ここロンバルディア州ミラノにおける出産は、医療レベルやサービスも含めて、ここで出産できて、本当に良かったです。

最初は、何も分からない状態で、するべきことだけが多くあり確かに戸惑いました。母子手帳のような親切なものも無ければ、窓口での説明は最低限で、実際検査を受けてから足りないことに気付く場面も多くありました。
それを勘定に入れても、妊婦に対するみんなの笑顔や、病院や日本では自費で行うような各種検査について、ほぼ無料や割引された値段でおこなうことができたことを考えると、金銭的にも精神的にもプラスの面が多かったと思います。たとえば、妊婦マークが普及している関東圏で、仕事を続けていたとしたら、やっぱり苦しくても席を譲ってほしいとは言い辛い局面があるのではないでしょうか。
ミラノの地下鉄は、他の都市に比べれば人が多いかもしれませんが、それでも乗り継ぎまでのほんの5分強の乗車時間でほぼ80%座ることができます。
(乗り換えがすぐの人はあえて座らない人が多く、立っている人がいても、探せば空席がみつけられる)
ある日の検査で行った病院の混み合った待合室で、妊婦さんが座りながら隣の席に自分のかばんを堂々と置いていました。たぶん膝の上に乗せると、お腹を圧迫するからでしょうか。人ひとり座れるスペースを譲らずに、一瞬イラッとしましたが、本当に堂々としていて、「このくらいわがままでも良いのかしら。この国では許されるのね」という考えに、最終的に至りました。
子供や子供を持つ母親に、大都市の割には優しい雰囲気なのかもしれません。

一昨年の10月から、正社員として仕事を見つけることができ、その3ヵ月後に妊娠発覚、、、
日本ならマタハラになりかねない状況にかかわらず、皆喜んでくれて、誰一人いやな顔をする人はいませんでした。
今年4月から直属の上司になった男性は、
「産休後、必ず戻ってきてね。でも、何より大切なことは子育てだから、その状況がちゃんと整って戻ってきてくれたら、いつでも歓迎するから」
と言ってくれて、本当に泣くのをグッとこらえるのに大変でした。
今後、必ずこの会社に戻って、頑張って働こうと自然に思える言葉です。

そして、夫のご両親にいたっては、妊娠発覚後、明らかに優しさが5割増ししました。
本当に普段からすばらしい人で、今までも不満は無かったのですが、ますます良くしてくれて、これからも孫の面倒をよく見てくれること必須です。夫は、妊娠発覚後からさほど喜びもせず、むしろうろたえ戸惑いが大きく、仕方なく協力している感が半端なかったけど、そのほかの人が大いに助けてくれて喜んでくれて、うちの両親含め感謝しても感謝仕切れません。

今は、子どもをベビーカーに乗せて外出する機会が増えましたが、イタリアに住む人は、本当に子どもに優しいです。
とにかく、妊婦時代以上に、子どもに対し声をかけられることが増えました、
主に子連れの女性や、年配の人から
「何か月?男の子?女の子?」などと質問されます。
子どもを褒められたり、優しく接してもらうのは、自分を大事にされるより嬉しいものです。
バスやトラムでのベビーカーの上げ下ろしも、必ずだれか手伝ってくれるし、お店の入り口のドアも、押さえて待ってくれる人がほとんどです。

一度、バスの中で、息子がギャン泣きしたことがあり、かなり焦ったのですが、
「お腹が空いてるのかな~?」と、声をかけてくれる人がいたり、周りがニコニコしていて、救われた気持ちになりました。

声をかけられるのは、女性が多いけど、バールでちょっと休憩していると、バリスタのおじさんや、ガテン系の利用客なども、
「Ciao!Piccolino!」(やぁ、おちびちゃん!)みたいに、声をかけてくれます。
正直に話しますと、自分が子どもを産むまで、子どもに一切関心がありませんでした。
もちろん、親せきや友人など、親しい人の子どもは可愛いと思いますが、道行く見知らぬ人の子どもなど、見向きもしたことがありませんでした。
だからこそ、イタリアでは何と子供に関心のある人が多いんだろうと驚かされるばかりです。

この国で、出産・子育て出来ることを、ラッキーだと感じています。
今後も、見知らぬ人にも助けてもらいながら、楽しんで子育てしていけたらと思います。

注意:混み合った公共交通機関(トラム・バス)などで、ベビーカーをひいた母親へのスリは少なくないと聞きます。子どもに気を取られ、かばんへの注意が散漫になることを狙った犯罪も存在しますので、優しく声をかけられたとしても、油断はしないようにして下さい。



by ayumi_cocca | 2018-02-06 06:41 | イタリア生活 | Trackback | Comments(0)

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