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父と母の来襲

懸賞 2016年 10月 21日 懸賞

830日~921日までの約3週間強、私の両親はミラノに滞在しました。住民登録の手続きのところで、ちょこっと書いたのですが、この長い期間70代前後の我が親は何をしていたか、ということについて、思い出話として記しておこうと思います。

ことの始まりは・・・
今年の5月くらい父が「ミラノに1か月くらい行こうと思うんだけど。」と言いだしたことでした。何かの聞き間違いかと思って、何度か聞き直しましたが、本気であることが分かり困ってしまいました。と言うのも、二人してカタカナ英語の単語しか知らず、イタリア語はもちろんゼロ。私や夫なしでは、外国で何もできない人たちなのです。来て何をするんだ?という疑問は私一人のものではありませんでした。そのことを伝えると、もちろんざわつく夫と夫のご両親。ざわついたのは、どのようにもてなして良いか検討がつかないから。いたって簡単な理由です。もちろん、英語を話さない夫のご両親とは私たちを介してしか会話ができません。

その他の問題としてホテルはどうするかという話になりました。変わらない彼らの意思を何度も確認後、我らが新居に滞在してもらうことになりました。とはいえ、それほど大きい部屋ではなく、4人では暮らせないので、私と夫が実家に逆戻り。幸いお互いの家は近所なので、私はそこを行き来することにしました。

父が飛行機を予約した7月下旬から、心と物理的準備を始めました。その一環として、当時3つの仕事を掛け持ちしていたけど、両親来伊に照準を合わせて減らしていきました。日本語を教える仕事については、学校が夏休み中だったので調整は不要でしたが、それ以外の民泊とレストランのバイトは早い段階で事情を説明し、他の人に対応してもらったりしました。こういうとき、(収入面で不安こそあれ)会社員をしていなくて良かったと思います。
毎日会社に行く夫や、どうもてなして良いか戸惑う夫のご両親に負担をかけない意味でも、なるべく私が対応しようと、心の準備も少しずつしていきました。距離的に離れているうえ、もうさほど若くない二人がそこまでしてイタリアに来てくれることに、私も出来る限り応えようと思うようにもなりました。

旅行記は別に記すとして、一週間に二泊三日の旅行を2回しました。3回するつもりだったのですが、3回目については体力的に厳しいと言う理由から、両親から辞退の申し出がありました。私もぶっちゃけホッとしました。

それらの期間、レストランのバイトへ行く時間と、夫の実家で寝泊まりする以外ほとんど一緒に過ごしました。
そして気付いたのが、やっぱり年とったな~、ということです。歩くのがとにかくゆっくり。観光も一日はできないので、半日で効率よく見て回る旅程を考えます。且つ合間に積極的に休憩をはさむようにしました。疲れたと言われたら、もったいなくてもタクシーも使いました。(もちろん支払いは親^^;)
ありがたかったのは、引っ越ししたての我が家(古くて掃除も行き届いていない物件)に滞在していたので、小さな不具合が丁寧に修理されていました。これは父の仕業でしょう。したくても出来なかった箇所の掃除ができていました。これは母がしてくれたようです。

それらを踏まえても、やっぱり疲れました。イタリア語はおろか英語も話さないふたり。彼らの名誉のために言うと、決して面倒くさい人たちではない。善良で温厚な人たちだけど、日本にいるときとは比にならないくらい世話が焼ける。やっぱりちょっとイライラしたりもしてしまいました。でもずっと続くわずらわしさではないと、自分に言い聞かせ空港へ見送りまでをしました。

そして、彼らが帰った後、背伸びして「いやった~!自由だぁ~!」と叫びそうだった。と同時に、彼らの帰った後の自宅は、彼らのほほんとした空気が少しだけ残っていて、寂しかった。いや、また来てほしいとは、しばらくは言いたくない。でも、私の頑張りのせいか、ミラノをとても気に入り、来年も来ると言っています。

今から戦々恐々としている私と、夫家族なのであります。


by ayumi_cocca | 2016-10-21 05:55 | イタリア生活 | Trackback | Comments(2)

Commented by リンゴ at 2016-10-31 20:24 x
わ、分かる。青森の両親が東京に出てくると、まさにそんな感じ!><
国内と海外を比べちゃ申し訳ないと思うけど、すっごく共感した…。
「もてなす」って、一切見返りを考えずに、自分の労力を顧みずに相手に尽くす行為だよね。無私になれる状況じゃないと、なかなかできない行為だと思う。
「また来たい」って言ってもらえたということは、おもてなしが成功したってことだから、よかったね。親孝行する機会だと思って、来年も頑張ろう! 大変だけど(笑)
Commented by ayumi_cocca at 2016-11-01 07:29
>リンゴさん 共感してくれてありがとう~!イライラと「出来る限りもてなしたい」を何百回往復したことか・・・
直行便とはいえ、片道12時間かけて来ることは並大抵じゃないんだよね~。その気持ちはくみ取りたかったし、老い先短い(かもしれない)両親に、こういう時間を作れるのはあと何回なんだろう?とか考えちゃって(笑)
就職したし、来年はここまでできないと思う(^^;)

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