La meglio gioventu' ~輝ける青春~
2016年 07月 21日
イタリア語タイトルは ”La meglio gioventu'”
邦題は 「輝ける青春」
今回、記事にしたのは、今日テレビで後編が上映されていて、後編最初の30分だけみて、やっぱり良い映画だと思ったからです。
ツタヤで2枚組でレンタルされているので、日本でも観ることができます。
ざっくりあらすじを説明すると、ローマで生まれた二人の兄弟の半生を、イタリアの歴史的大事件を振り返りながら、描いています。イタリア代表が国際試合で北朝鮮に負けた瞬間なんかも描かれていて、これも一つの大事件なんだと思わされたりします。イタリアの近代史なんかも垣間見ながら、兄弟のそれぞれの生き方を追う大河ドラマと言ったところです。
長男役の二コラは、「ペッピーノの百歩」や「映画のようには愛せない」など、日本で開催されるイタリア映画祭上映作品に多数出演している ルイージ・ロ・カーショという俳優さん。
そして弟役マッテオは、アレッシオ・ボーニ。
マッテオは、本ばかり読んでいて思慮深いところがありながら、衝動に駆られ何かに突っ走ってしまう多面性のある人物。家族から常に距離を置いていて、きっと彼の行動一つ一つに意味があったんだろうけど、彼の気持ちは最後までよく分かりませんでした。
私にとって印象的なシーンは二つ ※以下ネタバレあり※
一つは、長男ニコラが、大学の卒業のための口頭試問を受ける際の教授の言葉。ちなみに、イタリアにおける卒業試験は、口頭試問です。カンニング、ネット引用が不可の非常に合理的なシステムです。話はそれましたが、教授がニコラに言います。
「早くこの恐竜だらけの古い国から出て、世界に飛び出せ。かくゆう、この私も我が国に害を与える恐竜の一人なんだが。」
ちっとも国が良くならないのは、悪しき慣習にしがみついて何も変えられない、固い頭をした「恐竜」のせいであると言っています。これは、粋な表現で、且つ自分さえも恐竜であることに気付いている教授が、また小粋な感じ。
夫と見ていた時は、二人で目を合わせてニヤリとするほど、納得の一言でした。これ以降、そういう人を見たり聞いたりしたとき、「この人は、恐竜に違いない。」などと、二人の共通言語のひとつになりました。
そしてもう一つは、この兄弟の両親のシーン。
長男ニコラが恋人と結婚しないまま子をもうけ、事実婚としての生活をしているトリノへ、両親は訪ねに行きます。
ニコラと恋人、彼らにとっての初孫が住む家に向かうタクシーのなかで、
「結婚もせずに、子供を産んで生活しているだなんて」と母親、それに対し父親のほうは
「今どきは、子供がいたからって結婚なんてする時代じゃない」とコメント、
「私とは『結婚なんて』もの、してしまったものね。」と皮肉を返す母親の言葉で、険悪なムードになります。
家に到着し、孫の顔を見てその可愛さに、そんなムードはどこへやら。
しばらくの間、ニコラ宅に滞在しながら時間を過ごします。ある時、両親は二人でトランプゲームをしています。二人でああでもないこうでもないとカードを出し合いをしながら、父親が母親にこう言います。
「でも、あれだ・・・。今の時代に生まれたとしても、私は君と結婚していたと思う。」と・・・。そして、手に手を取り合うふたり。
これを見たとき、大号泣でした。当時すでに結婚していたけど、我が夫は全然ピンときていない様子でした_| ̄|○
本当に素敵なシーンだと思うのです。そして、さっき見たときも泣いた( ;∀;) 私が大好きなシーンだと知っていて、ときどき言ってくれる夫ですが、なにぶん軽く感じてしまうのか、夫が言ってくれても泣けません。死に際に言ってくれたら泣くかな?
紹介したシーンのセリフはすべて、私の意訳した内容ですので、本編の一言一句一致していません。
ぜひ、本編をみて確認してみてください。
6時間40分あるので、時間と気持ちに余裕があるときに!
ちなみに夫は、内容が苦し過ぎてもう見たくないと言っています。
私としては、苦しいシーンもあるけれど、全体を通して美しくて大好きな映画です。参考までに(o^―^o)ニコ
by ayumi_cocca | 2016-07-21 06:28 | イタリア人と映画 | Trackback | Comments(2)
気合いいるけど面白そう^^
同じ台詞でも、言う人・言うタイミング・言うシチュエーションで全然違うからね~(笑) でも、奥さんを喜ばせようとしてる旦那さん可愛い(*^^*)
長さに関わらず、全然飽きずに見られるよ~。時間さえ許せば、おススメします。各時代のイタリアの社会情勢も垣間見えるし、庶民の家のインテリアとか、イタリアの生身の生活がわかる一本だと思う。
夫が、私の機嫌を取ろうとしてくれていることだけでも、ありがたいと思います(笑)